突然だが、私には中国人の妻との間に、間もなく2歳半になる双子の男の子がいる。
日本に比べて、圧倒的にこども好きで、新しい命が増えることをとても喜ぶ傾向にある中国において、双子というだけでも
「凄いね!」
とよその子の事なのにやたらと羨ましがられるのだが、これまで一人っ子政策の影響だからなのか、
「私に子供がいて、双子で男の子2人なんです」
と言った日には、
「うわぁ、それは本当に幸せね!羨ましい!」
とかなりの人に言われるのである。
勿論、子供が生まれることは幸せだ。
しかし、その一方で親の負担が半端じゃないが、今の時代を歩んでいこうとする子どもたちも決して楽な道のりではないと思う。
果たして、子どもたちの未来は本当に明るいのだろうか。
※写真の子供は私の子どもたちではありません
男の子2人がいると、中国では羨ましがられる一方で、変な心配をされることがある。
「お父さんも大変ね。これから子供が大きくなったら、家を2軒も買ってあげなきゃいけないんだから。」
中国人は、大人が自分たちよりも子供のために、いろいろ尽くす傾向にある。
例えば、将来結婚する為には、家を持っていないと嫁を捕まえられない可能性が高まるので、親は予め子供に1軒全額負担で買い与えておくか、お金に足りない場合は頭金を十分出しておいて子供たちに無理がないように仕向ける。
今、増山は38歳だが、子どもたちが成人する60歳頃までには十分な資金を貯めておき、いい奥さんを捕まえられるようにアシストしないといけない。
また、子どもたちのためには予め考えておいていかなければならないのは、子どもたちが
「いかに負け組にならないか」
という点である。
この点に対する私と妻の願いは少し違う。
私は子どもたちは日本人と中国人のハーフであるがゆえに、
「日本語と中国語を完全にネイティブに操ることができること」
「他人に流されずに、自分なりに物事を分析する。自分の意見を常に持ち、自分の判断で物事を決めていけること」
を主に求めている。
これらを実現させることは、簡単なことではないので、とにかく若いうちにいろいろ経験できる環境を提供できればと考えている。
(親である増山の今までの人生は、それほどいい目に遭ってきたということもなく、だいぶ失敗していると思っているのだが、その失敗から得た教訓をもとに、子どもたちには経験を積んでチャンスを掴んでもらえればと思っている)
妻が考えているのは、
「手に職をつけること」
である。妻はそこまで学歴を重視しておらず、例えば調理師でも美容師でも自分がアピールできるように、技能を持っておいて欲しいと考えているようだ。
正直、これといった技能を持ち合わせていない増山からすると、ピンと来ない部分もあるが、自分が食いっぱぐれない為にはそういった部分も必要だろうなとは思っている。
今の中国では超のつく競争社会、一方の日本は今のところは2020年の東京五輪を前に景気がある程度維持できているが、それ以上の伸びしろはなく、これから緩やかに沈んでいく国である。最終的に子どもたちがどこで生きていくのかという方針はまだ定まっていないが、子どもたちがこれから進む道は決して明るいとは言えない。
だからこそ、自分たちで道を切り開いてもらう以外ない。
親である私たちができることはそんなにないけれども、限られた条件の中で、できるだけチャレンジできる環境を提供してあげたいと考えている。
今まだ妻と子どもたちは中国に滞在していて、10月頃に日本に連れて来る予定。
そして、来年は日本のある幼稚園へ入園させることを計画している。
その幼稚園に行かせたいと考えるのも、まずは子どもたちの未来への可能性を提案する第一段階と考えるため。
間もなく、親と子どもたちの過酷なチャレンジが幕を開けようとしている。