中国のタクシー配車アプリ・運転手側の基本インセンティブ消滅でどう変化する?

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増山は、今年2014年5月29日まで中国・大連市に住んでいたのだが、中国にいた2014年の最初の5ヶ月間で目を見張ったのはタクシー配車モバイルアプリの急成長だったと思う。気がついたら、大連のタクシーの半分以上は「快的打車」か「滴滴打車」のいずれかを使って、客探しをしていた。

客からしてみれば、混雑時にタクシーは捕まえにくいわ、運転手が行きたい方向でないと乗車拒否されるわでタクシーに乗るだけでも苦労する。だから、タクシー配車アプリはもう既になくてはならないものになっているように感じる。

しかし、タクシー配車アプリを使いこなすにはタクシー運転手がアプリをインストールして、起動させていないと始まらない。

いかにパイを増やすことが大事なのだが…。

TAXI

中国のタクシー配車アプリって何?という疑問は、以前私が別にコラムを書いているのでそちらで確認して頂き、解決してほしい。

この文章で簡単にまとめると、どこかへ行きたい客と客の近くにいる運転手が行き先まで走ると儲かるかどうかを判断して、儲かるならば客を捕まえる取引を仲介するアプリである。

中国タクシー業界は一応タクシー会社という組織はあるけれど、運転手は会社から車を借りて(借り上げて)売り上げから固定費を払うだけで、アプリを入れるかどうかは会社単位で命令されるわけでもなく、儲かるのではないかと考えるドライバーが勝手にインストールして(白タク防止のため、タクシーの車体番号やドライバー名とかの登録はあるので、ただのお勝手アプリではないが…)、客を集めているのである。

しかし、現在の中国は街へ出ると車だらけで、効率的に運行させて儲けたいドライバー心理からすると、渋滞が起きそうなエリアを避けて走りたい(低速運転割増運賃はあるが、当然ながら普通に走るよりコスパは悪い)が、そうも言ってられない。

それを補填していたのが、運転手に入る基本インセンティブの存在である。

2014年の第1四半期の凄い時は1つオーダーを取るごとに15元(約240円)のインセンティブが、タクシー運賃以外に取れていたこともあった。インセンティブは会社に上納する必要もないので、全部運転手の懐に入れることができていた。

ただし、これはあくまでアプリ普及のための施策で、アプリが普及してきたらどんどんとインセンティブ額が下がっていき、

「10オーダー取れば、1オーダーに付き5元」「~1オーダーに付き3元」「~1オーダーに付き2元」

と変化して、いよいよ基本インセンティブが消滅してしまったようだ。

中国のタクシーは初乗り運賃が日本に比べると格段に安いし、相当効率よく回さないと普通に8時間働いて帰るサラリーマンより稼ぎが悪いということもよくあることだ。中国人の心理として、儲かるところに群がる習性があるので、

「客を引っ張ってくる為にはやはり必要だ」と考えるのか、「インセンティブが消滅して、大して儲からないから要らない」

と考えるか。

ただのアプリになってからどのような変化があるのかは興味深いところである。

※8/12 00:50追加

現実はこんな感じなようで → 出典元

今まで、1日15本前後アプリでオーダーを取っていたが、現在は4~5本だが配車している間に、客が流しのタクシーに乗ってしまって、確認の電話しても通じない。だから、インセンティブがなければ価値がない。

客側も配車するのに、通常のタクシー運賃に加えて、チップを予め数十元設定しているのに、100人以上のドライバーがウンともスンとも言わない。

ということは、どうやら「インセンティブが消滅して、大して儲からないから要らない」が正解のようである。

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