約1週間前に、中国においての銀行キャッシュカードの作り方という投稿をしましたが、今回はその補足です。
前回投稿: 中国においての銀行キャッシュカードの作り方
普通の人から見たら、「今更中国なんかで銀行口座作ってどうするんだよ、バカじゃねーの??」と思うかもしれません。
でもまぁ、このブログに何らかの形で遭遇してしまった人には、そういう人はいないと思いますが(笑)
確かに、以前に比べればそこまで中国の銀行で口座を作るメリットは大きくはないと思います。
以前、中国・大連に住んでいた時は、少ない金額ながらも3~12ヶ月周期の定期預金をやっていました。
cf: 人民币存款利率历次调整表 (中国語)
私が住んでいたのは2005~2014年の間で、例えば1年モノの定期だと最高で4.14%の利回りがありました。悪くても3%前後ということが多く、日本の銀行とは比べようもないくらい魅力がありました。
しかし、現在では1年モノは1.5%まで下がっています。
(ただし、定期に入れずに普通預金で年0.35%というのは、日本に比べれば良いのですが)
そのため、中国の銀行口座に資金を入れて殖やそうと考える人はもう手遅れで難しいと思うのですが、違う目的がある人にはまだ必要性があると思います。
どちらかというと、違う目的のほうの方にこの投稿の目的はあります。
どこの銀行で開設すればいいの?
違う目的がある人、例えば私のように淘宝網でAlipay(支付宝)を使わなければいけないという人の場合、開設する銀行はしっかりと見極めなければいけません。
中国人であれば、実名認証のために中国にあるほぼ全ての銀行で確認できますが、中国籍以外(外国籍華人も含む)の場合は次の銀行のうち1つに口座を開設していることが必要です。
- 中国工商銀行
- 招商銀行
- 中国民生銀行
- 交通銀行
- 浦東発展銀行
- 興業銀行
- 中国郵政儲蓄銀行
- 中国銀行
- 中信銀行
- 中国光大銀行
- 杭州銀行
- 平安銀行
私は以前住んでいる大連の招商銀行で認証していました。
ただ、淘宝網をやる人であれば、人によっては人民元を日本の銀聯カードに対応しているATMで引き出す必要があるので、出来る限り引き出し手数料が安いと便利ですよね。
cf: 银联借记卡境外ATM取现发卡银行手续费一览表 (中国語)
上のリンクは中国の銀行カード(銀聯カード)で中国国外で引き出した時の手数料が書かれています。
手数料の安さで行けば、次の順位になります。
- 1位: 中国光大銀行 (引き出し金額を問わず毎月3回まで手数料無料、月4回目以降1回12元)
- 2位: 杭州銀行(1回10元)
- 3位: 中信銀行・平安銀行・中国民生銀行(1回15元)
- 招商銀行(引き出し金額の0.5%、最低10元~、ただし引き出し金額が多いと最高50元)
- 中国銀行(引き出し金額の0.5%、最低15元~、ただし引き出し金額が多いと最高50元)
必要なカード枚数にもよりますが、まずは中国光大銀行が優先となります。
中国光大銀行は比較的全国的に多数の店舗がありますが、杭州銀は、本拠の浙江省のほかに上海・南京・合肥・北京・深センに支店があります。
(ちなみに私は杭州銀行の上海支店で口座を開きました → 百度ストリートビュー)
逆に手数料が高いのは、
- 交通銀行・中国工商銀行 (引き出し金額の1%+12元、最高112元)
- 中国郵政儲蓄銀行(引き出し金額の0.5%+12元、最高62元)
なので、こちらの優先順位は下げましょう。
口座を作るのは、そんなに難しくはない(ポイントが分かっていれば)
中国の銀行口座を初めて作る人には、怖くてそんな簡単に作れるものではない。と腰が引ける人がいるかもしれませんが、ポイントが分かっていれば、早くて15分・遅くても30分もあれば口座1つ作成できてしまいます。
まず、銀行へ入ったらたいていは警備員のおじさんが「ご用件は?」と聞いてきますので、
个人开户(开卡) ガーレン カイフー(カイカー)
と言います。「個人口座開設」の意味です。
そうすると、警備員または銀行の受付担当の人が口座開設申込書を持ってきてくれます。
(または番号を書いた紙を持ってきて、窓口へそのまま誘導されることもありますが、たいていは用紙を書かされます)
申込書はこんな感じ。
- 姓名: 名前をローマ字で記入
- 性别: 男or女をチェック
- 国籍: 日本を記入
- 证件类型: 护照(パスポート)をチェック
- 证件号码: パスポート番号を記入
- 联系电话: 未記入可
- 手机号码: 携帯電話番号を記入(該当の番号がある携帯電話は銀行に必ず持っていく)
- 联系地址: 住所を適当に書く(一応実在している住所で)
- 邮政编码: 郵便番号、分からなかったら未記入可
- 申请人签字: 本人直筆でサイン(基本はローマ字)
- 领卡人签字: 同上
申込書記入はこんな感じで、分からなければ英語なども交えて教えてくれるはずです。
ほかに重要な点としては、申込書に書いた携帯電話番号は必ず通じるように。そしてその番号のSIMカードが入った携帯電話は必ず持って行ってください。
どの銀行でも本人確認の1つとして、記入された携帯電話番号に電話をかける(着信が確認できれば良く、電話に出る必要はない)、または携帯電話番号宛にショートメールが送られます。
ショートメールが送られるパターンの場合は、その中に書かれている6桁の数字を銀行の端末で入力することで認証します。
(携帯電話番号はできれば自身名義の番号が望ましいです。以降銀行の登録内容の変更がある場合、携帯電話の認証が必要になります)
それ以外で6桁の数字を入力しろと言われますが、これはキャッシュカードの引き出しで使う暗証番号ですので、それぞれ同じ数字を2回ずつ入力します。
ネットバンク・モバイルアプリバンク開通を忘れずに
単純にキャッシュカードを作って、お金の出し入れをするだけであれば、暗証番号を2回入力することで口座開設完了ですが、インターネットやモバイルアプリで残高照会や取引履歴を閲覧するためにネットバンク・モバイル(アプリ)バンクの開通申請は忘れないでください。
その旨を言っておかないと、デフォルトではカード発行するだけで、忘れた場合、再度同じ銀行に出向いて開設しに行かなければいけません。
ネットバンクは网银(ワンイン)、モバイルバンクは手机银行(ショージー インハン)です。
我想开网银和手机银行
(ウォー シャン カイ ワンイン ハー ショージーインハン)
とでも言っておけばいいでしょう。
こちらもパスワードを設定する必要があるので、6桁の数字を決めておきましょう。
(キャッシュカードと同じ番号でもかまいません)
一部銀行では開設を断られる可能性があるが、その場合は諦めて別の銀行か同じ銀行の別の支店へ
以前であれば、パスポート1つあれば結構簡単に口座開設できたものですが、最近は一部若干開設要件が厳しくなっている場合があり、
- 中国に(公安が許可した)住所登録がない
- 中国のビザを持っていない(1年の労働ビザを持っていない)
などという理由で、口座開設を断られる場合があります。
(私は2年マルチの配偶者ビザがあるので、だいたいビザはOKですが住所登録がない)
そこで、「なぜ開設できないか?」
と争っても、銀行が設けている規定でどうしようもありません。
開設の可否で労力を使うようなら、諦めて別の銀行なり、断られた銀行の別の支店へ行きましょう。
中国の面白いところとして、必ずしも同じ銀行の中で1つの規定で確実に統一されているとは限りません。
どこでもそうですが、Aさんの見解と同じ職場のBさんの見解が同じとは限りません。
必ず複数人に裏を取ることが大事です。
ということは、別の支店へ行けば、実は口座開設OKと言われるかもしれません。
(私自身経験済)
開設したい銀行の複数の支店の所在地を把握しておくとスムーズです。